在庫管理を適切に行うためには、理論在庫と実在庫における誤差を確認・修正するなど、定期的な棚卸が欠かせません。
棚卸期間は企業や業種などによりさまざまですが、毎日実施すると多くの時間や労力を要するものです。
また、棚卸の方法は多岐にわたりますが、近年では「循環棚卸」と呼ばれる方法に注目が集まっています。
本記事では、循環棚卸とはどのようなものなのかについて、一斉棚卸との違いやメリット・デメリットなどとあわせて解説します。
循環棚卸とは、在庫を保管場所や商品の種類、作業日などの項目に分けて、順番に棚卸作業を実施する方法です。
通常業務を行いながら対象商品の棚卸も実施できることから、全体のオペレーションを止めずに実施できます。
近年ではEコマースやコンビニといった、24時間稼働しているサービスが増加したため、注目されるようになりました。
後述する一斉棚卸とは異なり、毎日コツコツ実施するのが循環棚卸の特徴といえます。
循環棚卸を行う主な目的は、在庫管理の精度を向上させることにあります。
定期的に小規模な棚卸を行うことで、誤差や在庫ロスを早期に発見し、早急な修正が可能となるのです。
また、業務負担を分散させることで、従業員の負担軽減にもつなげられる点も特徴といえます。
棚卸の方法として、先述した循環棚卸のほかに、「一斉棚卸」と呼ばれる方法が挙げられます。
一斉棚卸は一定の期間ごとに、倉庫や店舗全体の在庫を一括して確認する方法です。
通常、一斉棚卸は半期または年に1回程度実施され、業務を一時的に停止して行われることが多い傾向にあります。
在庫状況を一度に把握できる利点がありますが、業務負荷が大きく、時間と人手を要する点が課題といえます。
入庫や出庫といった全体のオペレーションが停止するため、売上が一時的に落ち込んでしまう点も懸念です。
こちらでは、循環棚卸のメリット・デメリットをご紹介します。
上記より、循環棚卸はリアルタイムに近い在庫状況を確認できたり、オペレーションを止めずに実施できたりといった点がメリットといえます。
一方、全体を把握するまでに時間がかかり、在庫確認のスケジュール管理に関する業務が増える点には注意が必要です。
循環棚卸の実施を検討する際は、これらのメリット・デメリットを理解しておき、自社物流倉庫に合っているのかを検討しましょう。
下記にて、一斉棚卸のメリット・デメリットをご紹介します。
上記より、一斉棚卸は一定期間棚卸業務に集中するため、短期間で高精度な棚卸が可能な点がメリットといえます。
しかし、その期間中は入庫や出庫などの業務がストップしてしまうため、売上を建てることができません。
また、一斉棚卸は期間が設けられているため業務負担が大きい点にも注意が必要です。
循環棚卸を採用し、業務を効率化するためには下記のポイントを押さえておきましょう。
棚卸の頻度や対象商品を事前に決め、スケジュールを立てることで、スムーズな運用が可能になります。
WMS(倉庫管理システム)やRFIDなどの技術を活用することで、リアルタイムでの在庫確認が容易になり、精度の向上が期待できます。
循環棚卸専門の業者に委託することで、効率的かつ正確な棚卸を実施することが可能になります。
本記事では、循環棚卸と一斉棚卸の特徴について解説しました。
循環棚卸とは、在庫を保管場所や商品の種類、作業日などの項目に分けて、順番に棚卸作業を実施する方法です。
一方、一斉棚卸は一定の期間ごとに、倉庫や店舗全体の在庫を一括して確認する方法を指します。
それぞれにメリット・デメリットをはじめとした特徴があり、自社物流倉庫に合った方法の検討が重要です。
棚卸業務に課題を感じている運営者は、棚卸方法の見直しを検討してみましょう。