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委託倉庫とは?自社倉庫との違いやメリット・利用時の注意点を紹介

作成者: UCHIYAMA YUDAI|May 16, 2025 2:42:13 PM

有形商品を取り扱っている企業のなかには、自社で物流や倉庫を構えているところがあります。

しかし、コスト面や業務効率などを考慮して、社外の倉庫を借りている企業もあるものです。

外部企業の倉庫を借りて、物流業務などを代行してもらえる倉庫を「委託倉庫」といいますが、どのような特徴があるのでしょうか。

本記事では、委託倉庫とはどのようなものなのかについて、自社倉庫との違いやメリット・利用時の注意点をご紹介します。

 

委託倉庫とは?

委託倉庫とは、物流業務を専門の倉庫業者にアウトソーシングする形態の倉庫です。

企業が自社で倉庫を運営するのではなく、外部の倉庫業者に委託することで、物流業務の効率化やコスト削減を図ることができます。

委託倉庫の主な役割としては、商品の保管、在庫管理、ピッキング、梱包、出荷といった物流業務全般があります。

現代ではEC事業者や小売業者など多品種少量の商品を扱う企業にとって、委託倉庫の利用は重要な選択肢です。

物流アウトソーシングの一環として委託倉庫を活用することで、企業はコア業務に集中しやすくなります。

また、専門の倉庫業者は最新の物流システムを活用しており、在庫管理の精度向上や誤出荷の防止など、物流品質の向上が期待できるでしょう。

 

委託倉庫と自社倉庫の違い

下記にて、委託倉庫と自社倉庫の違いを表でまとめました。

項目

委託倉庫

自社倉庫

初期投資

なし(委託費のみ)

高額(倉庫建設・設備投資が必要)

運営コスト

変動(委託契約に基づく)

固定(人件費・維持費が発生)

物流ノウハウ

外部の専門業者が対応

自社で蓄積する必要あり

柔軟性

需要変動に応じた利用が可能

固定スペースのため柔軟性に欠ける

管理負担

低(倉庫業者に任せる)

高(運営・人材管理が必要)

 

委託倉庫を利用することで、人件費などの費用面を押さえつつ、物流の運営ノウハウを利用した高品質なサービスを受けられます。

高い柔軟性を維持したまま管理負担を押さえられる点も、委託倉庫の魅力といえるでしょう。

 

委託倉庫を利用するメリット

こちらでは、委託倉庫を利用するメリットをご紹介します。

 

コスト最適化につながる

自社倉庫を運営する場合、初期投資や固定費がかかりますが、委託倉庫の場合は必要な分だけのスペースを契約できます。

需要の変動に応じて柔軟に対応できるため、無駄なコストを削減できる点もメリットです。

 

業務効率化を図れる

倉庫業務を専門とする業者に委託することで、在庫管理や出荷業務の精度が向上します。

また、最新の物流システムを活用した自動化やデータ分析によって、作業の効率化が進み、スピーディーな対応ができるでしょう。

 

物流品質の向上ができる

委託倉庫は誤出荷の防止や配送リードタイムの短縮など、物流品質に関するノウハウが蓄積されています。

たとえば、RFIDやバーコード管理を活用することで、正確な在庫管理が実現できるでしょう。

 

委託倉庫を利用するデメリット

一方、委託倉庫は下記のようなデメリットを抱えています。

 

ノウハウが蓄積されない

物流業務を外部委託することで、自社内に物流ノウハウが蓄積されにくくなります。

将来的に自社物流に切り替える場合には、新たなノウハウ構築が必要になるため、多くの知識と時間を要してしまうでしょう。

 

情報伝達に遅れがでる

倉庫業者とのコミュニケーションが不足すると、情報伝達の遅れが生じる可能性があります。

急な出荷指示への対応が遅れたり、在庫データのズレが発生したりすることがある点には注意が必要です。

 

委託倉庫の業務内容

委託倉庫では、下記のような業務を実施しています。

 

入庫・検品作業

委託倉庫では発注した商品が倉庫に到着すると、入庫作業と検品作業が行われます。

数量や品質の確認が行われ、問題があれば即座に依頼主に報告します。

 

ピッキング

ピッキングは出荷指示に基づいて、倉庫内の在庫から対象の商品を選び出す作業です。

手作業によるピッキングのほか、自動倉庫やピッキングロボットを導入するケースもあります。

 

梱包・出荷

ピッキングされた商品には適切な梱包が施され、出荷準備を行います。

出荷前には配送先や数量の最終確認が行われ、正確な配送の確保が目的です。

 

委託倉庫を利用する際の注意点

委託倉庫を利用する際は、下記のポイントに注意しましょう。

 

契約内容の確認

倉庫業者との契約内容を締結する前に、契約内容をしっかりと確認しておきましょう。

のちのちのトラブルを避けるために、料金体系や責任範囲、契約期間についてしっかりと把握しておくことが重要です。

 

セキュリティ対策の確認

自社商品が盗難や紛失に遭ってしまうとそのまま損害となるため、倉庫内のセキュリティ対策も重要なポイントです。

高額商品や機密性の高い商品の保管を委託する場合、セキュリティシステムや監視体制について事前に確認しておきましょう。

 

おわりに

本記事では、委託倉庫とはどのようなものなのかについて解説しました。

委託倉庫とは、物流業務を専門の倉庫業者にアウトソーシングする形態の倉庫です。

委託倉庫を利用することでコスト最適化につながる、業務効率化を図れる、物流品質の向上ができるといったメリットを得られます。

一方、自社にノウハウが蓄積されない、情報伝達に遅れがでるといったデメリットには注意しましょう。

倉庫や物流が必要になったときは、委託倉庫の利用を検討してはいかがでしょうか。