ブログ

AMR(自律走行搬送ロボット)とは?AGVとの違いや導入時の注意点を紹介

作成者: UCHIYAMA YUDAI|Mar 11, 2025 10:44:28 AM

 

かつて物流や倉庫での作業は、多くのスタッフによって行われていました。

近年では業務効率やミスの改善を目的として、さまざまな最新技術が導入されています。

特に、多くの業界で注目されているAIも導入されており、ロボットやシステムと人が共同して業務に臨むようになりました。

本記事では、AMR(自律走行搬送ロボット)とはどのようなものなのか、AGVとの違いや導入時の注意点をご紹介します。

 

 

AMR(自律走行搬送ロボット)とは?

AMR(Autonomous Mobile Robot)は、人工知能(AI)やセンサー技術を活用し、自律的に走行しながら搬送作業を行うロボットです。

従来のAGV(無人搬送車)とは異なり、固定された走行ルートを必要とせず、動的な環境に適応しながら移動できます。

ロボットがすべての業務を行うのではなく、人とロボットが共同で作業を行える点が特徴です。

業務の半自動化を実現できるほか、ヒューマンエラーの防止に有効だと考えられており、導入する企業が増加傾向にあります。

 

AMR(自動走行搬送ロボット)の特徴

AMRの主な特徴は、以下の通りです。  

  • 自律走行  : 地図を作成し、自動で最適なルートを選択して走行する。
  • 障害物回避 : センサーを活用し、障害物を検知して安全に回避する。
  • 柔軟な運用 : 工場や倉庫のレイアウト変更にも即座に対応可能。
  • 人との協働 : 作業員と安全に共存しながら業務を遂行できる。

AMRは物流倉庫だけではなく製造工場、小売業界などで導入が進んでおり、効率的な搬送システムの実現に貢献しています。

 

 

AMR(自動走行搬送ロボット)導入のメリット

こちらでは、AMR(自動走行搬送ロボット)を導入するメリットをご紹介します。

・人との協働が可能

AMRは高度なAI技術を活用し、人と安全に協働できるように設計されているロボットです。センサーを駆使して周囲の人や障害物を認識し、安全な距離を保ちながら作業を行います。これにより、作業員がロボットと共に作業することが可能になり、業務の生産性が向上します。

・作業負担が軽減できる

重い荷物の搬送作業は従来、作業員が手作業で行っていましたが、AMRを導入することで作業負担の軽減が実現します。負担が大きい長距離の搬送や反復作業をAMRに任せることで、作業員の疲労軽減や労働環境の改善が期待できます。負担が大きい作業をAMRに任せ、人にしかできない作業を人が行うことで、現場の業務効率も改善するでしょう。

・コスト削減ができる

AMRの導入により作業効率が向上するため、結果として人的コストを削減できます。また、AMRは柔軟に運用できるため、追加のインフラ投資を最小限に抑えつつ、長期的な運用コストの低減が可能です。そのためには現場設計や運用ルールの確立・更新が必要ですが、手作業よりも大幅に人件費を削減できる点はメリットといえます。

・現場のレイアウト変更にも対応できる

AMRは従来のAGVと異なり固定された走行ルートが不要なため、レイアウト変更にも即座に対応できます。新たなルートをプログラムし直すことなく、AIが最適なルートを自動選択するため、柔軟な運用が可能です。人の歩行削減が実現することで大幅に負担を軽減できるため、導入・運用することで効果を実感できるでしょう。

 

 

AGV(無人搬送車)とAMR(自律走行搬送ロボット)との違い

AMRが普及する前は、AGV(無人搬送車)を導入する企業が多くありました。

下記にて、AGVとAMRの違いについて解説します。

 

・移動範囲や走行ルート

AGVは磁気テープや床に埋め込まれたガイドに沿って走行するのに対し、AMRは周囲の環境を認識しながら自由に移動できます。これは人工知能(AI)を導入しているAMRならではの特徴であり、機械学習によってさまざまな情報を取得します。そのため、AMRは工場や倉庫内の変更にも対応しやすいのが特徴といえます。

・障害物の回避

AGVはルート上に障害物があると停止しますが、AMRは障害物を検知して回避しながら進むことができます。人であれば避けて通るなどの解決ができますが、AGVにはハードルが高い作業といえるでしょう。一方、AMRも人と同様に避けて通ることができるため、作業の停止時間を削減し、スムーズな運用が可能になります。

・搬送方法

AGVは床に貼り付けられた磁気テープなどに従って、決められた地点間での搬送に適しています。一方、AMRは搭載されているカメラやセンサーによって周囲の環境を把握しながら、柔軟に搬送ルートを変更できます。通路上に障害物を置かないように気を配らなければならないAGVよりも、柔軟性が高い搬送ができる点がAMRの特徴です。

 

 

AMR(自動走行搬送ロボット)の業界動向

近年、AMR市場は物流や製造業を中心に多くの企業が導入を進めており、市場規模も拡大傾向にあります。

AI技術の進化によりAMRの精度や柔軟性も向上し、今後さらに多くの業界で活用が期待されています。

たとえば商業施設や医療機関など、物品を運搬するような業界が挙げられます。

運搬に関する業務効率を改善することで費用対効果が向上するため、企業の収益体質にも良い影響を与えるようになるでしょう。

 

AMR(自動走行搬送ロボット)を導入する際の注意点

AMR導入にあたっては、以下の点に注意する必要があります。

  • 導入コスト:初期投資がかかるため、長期的なコスト削減効果を考慮して導入計画を立てる必要があります。
  • 現場環境との適合性 :AMRがスムーズに動作するためには、環境の整備が必要です。
  • 既存システムとの連携 :既存の物流管理システム(WMS)などとの連携を考慮しなければなりません。

AMRは効率的な搬送システムの実現に大きく貢献する技術ですが、導入の際には事前の計画が重要となります。自社に合った適切なAMRを導入することで、企業の生産性向上やコスト削減に寄与するでしょう。

 

おわりに

本記事では、AMR(自動走行搬送ロボット)とはどのようなものなのかについて解説しました。

AMR(Autonomous Mobile Robot)は、人工知能(AI)やセンサー技術を活用し、自律的に走行しながら搬送作業を行うロボットです。

人との協働が可能であるほか、作業負担が軽減できる、コスト削減ができる、現場のレイアウト変更にも対応できるといったメリットがあります。

一方、導入時にはコストや現場環境との適合性、既存システムとの連携といった点には注意が必要です。

現場の負担や業務効率を改善したいときは、AMRの導入を検討してみてはいかがでしょうか。